皆様、ご機嫌いかがでしょうか。本日は、令和5年6月3日に開催されました、大阪楽所の定期演奏会の普段見る事の出来ない、舞台裏の模様をご覧頂きたいと思います。まずは、午前8時30分に大阪の国立文楽劇場に集合致します。そして、機材や大きな楽器を全員で舞台に搬入が行われます。11時にはリハーサルが行われますので、それまでに舞台の設営が完了しなければなりません。大阪楽所の定期演奏会は昼の部14時から、夜の部18時からと一日になんと二部行われますので、丸一日がかりで搬入から撤収を行う、その長い一日がはじまりまります。
大阪の国立文楽劇場
舞台は神聖な所でございます。さまざまな芸術家が情熱を込めてきた場所であり、背筋を伸ばして気を引き締めて向かわなければなりません。
舞台袖からみた観覧席
国立文楽劇場の大道具さん達が舞台の基礎を手際よく組立て行きます。
舞台の位置が決まると、雅楽特有の緑色のしたカーペット(地敷)を敷きます。
まっすぐ、そして弛みなく敷くのにはとても技術が必要です。
現場監督が大道具さん達の指揮を執ります。
楽人だけでは、しっかりした舞台を組むのには少し難しいですね。
観覧席から見た様子
欄干は組み立て式。雅楽は欄干の中で、管絃、舞楽と行われます。欄干を真っ直ぐに組み立てるのも、とても難しい作業でございます。
ココまで来ると、大道具さんの手は離れ、楽人と強力な助っ人の方々が総出で欄干を組み立ててゆきます。
欄干もほとんど出来てきました。この舞台裏では、舞人の装束や楽人達がココの装束の準備に追われております。休む時間はひと時もございません。
舞台の設営が終わりますと、今度は照明さんの仕事が始まります。大きなホールで舞台を経験された方はご存じですが、この照明がなんとも暑い事。装束の中は汗でぼとぼとになります。
舞台中央から見て左方と右方に舞楽の管方が着座する楽器の台と胡床が置かれます。ココまでくれば完成となります。胡床の位置も前後左右狂いなく設置致しますが、とても神経をとがらせて仕上げを行います。
間髪入る間も無く、リハーサルが始まろうと致しております。
という事で、本日は、普段ご覧になられる事の無い、演奏会の裏側をご覧頂きました。沢山のお手伝いの方にご協力頂きまして、この場をお借り致しまして厚く御礼申し上げます。それでは、次回は演奏会の模様をお届けしたいと思います。